楽天

知っておきたい助成金・給付金

2011年2月28日月曜日

すばらしきジコチュウ(コンクリートの耐久性を劇的にアップする方法)

BGMにテレビを付けて作業することが多いのですが、夢の扉という大好きな番組が気になりました。
ひたすらジコチュウ、ジコチュウと繰り返している

話題は、コンクリートの劣化と対策。
コンクリートが劣化する最大の原因はひび割れ。
研究したものの、コンクリートのヒビは宿命的なもので減らせてもなくせない。

そこで発想を変えてジコチュウコンクリートを考え出したというのです。
どんな字を書くんだろう。

BGMといっても別の部屋でテレビは付けているので見ることはできません。

ひび割れを治すジコチュウだからジコはまず自分でという自己だろう。
われを治すには一般に樹脂を流し込む、つまり注入するので自己注入を略して自己注(じこちゅう)だろう。

30分番組が終わるまで、そんな解釈で破綻しませんでした。

寝る前にビデオを見ようと気になる今日の夢の扉を再生。
どうやらナレーターの滑舌が今ひとつだったんですね。
それと、マンションに最近転居された賃貸のかたが、非常に自己中(自己中心的、身勝手)なかたで、いろいろ迷惑をかけていて対応に苦慮している。
あわさってジコチュウと聞こえてしまったようです。

文字を見るとジコチユ、そう自己治癒コンクリートでした。
ユが小さいュではなくて大きいユ。

自己治癒コンクリートとはできてしまうヒビを自分で治癒、つまり治すコンクリートのことでした。
韓国から期待分野の研究社と共同研究を行い膨潤剤を混入。
ひび割れができて、水が侵入してくると反応して隙間を埋めてしまうというもの。

成果はとても大きくて水があっという間に漏れてしまうほどのヒビが一箇月ほどでほぼ水漏れが止まってしまうほどに修復していました。

補修工事も必要なくなるしチェック期間も伸ばせるようになるので経済効果は計り知れません。
※マンションも含めコンクリート建築物は築後10年経過すると3年ごとに耐久性検査を実施して自治体に届け出なければならないそうです。費用も馬鹿になりませんしマンションなどでは、その対応に理事会での雑務が増えるなどありがたくないものです。
また、中古万書を見て回るとヒビだらけでとても購入する気になれませんでしたし、新築物件でさえ手すり部分などにヒビが見られるものもあり魅力的な価格と立地でもパスしたことが数度ありました。
ヒビはコンクリートのうち方が悪ければコンクリートを打って一日でできてしまうこともあるそうで、購入談でんしたのは正解だったようです。

出演は、東京大学生産技術研究所 岸利治教授でした。


ところで、個人的な懸念です。
ヒビに注目し自己治癒を目指すのはとても合理的。
なんですが、コンクリート本体とは別の物質である膨潤剤がヒビを埋める主体です。
コンクリートや岩が砕ける原因はヒビに侵入した水なんですが、水が侵入しただけでくだけるわけではありません。それなら鍾乳洞は存在することなく、全部陥没して洞窟など残らないでしょう。

水分がヒビに残り、気温の変化で凍ってしまう。
なかで氷になる。
すると体積がわずかに増えるのですが、その体積が増えることがちょうど岩をわるときに使う楔(くさび)と同じ働きをして徐々にヒビを広げ割ってしまいます。

コンクリートの場合はより短期間で砕けますが、それは中の鉄骨がさびてしまうから。
鉄は錆びると体積がとても増えます。
そのため水が凍るより早く楔の効果がでてコンクリ^との塊を内部から破壊していしまいます。

おなじように、別の組成で水分をよく含んだものがヒビを埋めた場合、温度変化による楔効果が心配になります。

夏場、コンクリートの表面は軽く5~60度を超えます。
温度が上がれば膨張するものですが組成が異なれば膨張率もかわります。
水分のより多くやわらかそうな膨潤剤主体の部分は夏場の高温で膨潤し、夜間の冷え込みや冬場の冷え込みで急激に縮む。
雨が降ったり夜露があれば隙間にしみこみ膨潤が働いてすぐに埋める。
つまり、楔がより深く打ち込まれた状態になる。

あるいは真冬、冷夏になることもあります。
凍ってしまえば同じような状態になるでしょう。

研究されていると思いますが、取材の範囲だけを見るとひび割れとその自己治癒にフォーカスが当たっていて、治癒後の環境から受ける影響までまだ研究が及んでいないような印象もありました。

楔のように働いてしまうと一気に破壊されてしまいより寿命が短くなります。
それ以上に、コンクリートの深部まで異物が入り込んだ形になり、ほぼ一体化しています。
それが悪さをすると発見されたときには対処方法がなくなります。
ヒビであれば別の研究者の方が、刷毛で塗るだけで埋められる樹脂を開発されています。
樹脂も水で溶いていましたが固まってしまえば不溶性になるようですし、樹脂はコンクリートよりも圧倒的にやわらかいので楔的なはたらきはしにくく、コンクリート破壊の原動力にはなりにくそうです。

自己再生するコンクリートが一日でも早く確立し普及することを願いますが、建築物としての耐久性チェックも気にかかるところです。


個人的アイディア
コンクリートのひび割れが防げず、美観上塗装したりタイルを張ったりするコンクリート建築。
また、省エネの観点からはより高い断熱性も求められます。
自己治癒コンクリートを使いつつ、建築物の表面をカバーする断熱効率の高い自己治癒塗料で価格の安いものが開発され、鉄をむき出しで使うことがないようにコンクリートはそれで塗装するものとなれば、より確実で安全なコンクリート建築物ができあがります。

自己治癒塗装とは、塗装面は傷がどうしてつきます。
傷がついたとき周囲の塗料が盛り上がり、傷をふさいでしまうというものが実用レベルにあります。
建築物用に大量に使ってもコストが余りかからず耐久性があり、数十年以上利用できるように塗りなおしたり重ね塗りできる塗料が期待されます。

また、断熱塗料はNASA由来というものが、建築関係では一部で利用されています。
テレビ東京の建物を作る系番組でも過去利用されたことがありました。
コストを下げるため屋根や壁が鉄板で作られている。
そのままでは夏恐ろしく暑くなるし冷暖房費も大変。
塗装だけでその問題を回避されていました。

コストが高いので利用が進んでいないようですが、建築物の耐久性が増し、定期診断の頻度を下げられ運用コストが減らせれば建築費が若干高くなっても、耐久性アップのためのコスト増部分は資産計上しないなど税制を少し変え、建築基準法で採用を指定すれば数十年後には100年以上すめるコンクリート住宅ばかりに日本が生まれ変われます。

1 件のコメント:

  1. 夢の扉【岸利治自己治癒コンクリート膨潤剤壁のひび割れ修復技術」のビデオを入手したいのですが、どなたかアップして頂けませんか?

    返信削除