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2011年4月13日水曜日

日本の原発事故をチェルノブイリとばかり比較するのはなぜだろう

福島第一原子力発電所でのあまりにも重大すぎる原発事故。
建屋が爆発してさえ、事象と日本語とは思えない不思議な表現を使い続け、世界的なクレームが重なる中、原発事故のレベルを国際基準で最悪のレベル7に改定しました。
なぜこうも事象などという日常使われない、つまり日本語とはいえない、特殊用語を使い続けたり、当初からスリーマイルやチェルノブイリの事故と比べたがるのか。

それが事故を収束させるための役に立つのであれば有用なことですが、ともに原子炉の原理も違えば事故の原因も全く違いますし、何より事故が瞬間的に起き、すぐに収束できたものと、一ヶ月以上経過しながら全く収束が見えない日本の原子力事故では比較しても対策上は何の価値もありません。

例えば避難にしても、爆発して一気に放射性物質が拡散した場合と、じわじわと長期にわたり大気や地下水、海に汚染を垂れ流し続けるのとでは全く違ってきます。

不安感払拭のためという意見もあるようですが、結果論で言えばその最悪としたチェルノブイリと同じレベルになりましたから、他国の事故を持ち出してきたことは不安払拭という意味でもむしろマイナスだったことが明白になりました。

比較を持ち出すのは絶対値でいう自信がないときや、責任を誤魔化したい時でしょう。


専門家ではありませんが4基もの原発が同時に制御不能になり放射能漏れを起こし続けている段階でレベル7でしょうし、海水注入した段階では、過去世界でも例がない事態に陥っているのですからスリーマイル島原発事故以上でしょう。

レベル7にしたことは、むしろ評価できると評価していますが、放射能汚染水を海洋投棄するという人類史上かつてなかった暴挙と同様に世界との調整を全くしていないようで、日本にいて聞こえてくる海外の評価は芳しくありません。
それは各国の事情も大きいでしょう。

風力や太陽熱発電への移行という話も存在はするものの、例えば日本なら山手線の中を全部真っ暗にして太陽発電パネルで覆い尽くしても東京で必要な電力の数分の1しかまかなえないほど発電力は少なく、それも晴天での話。風力にいたっては風の強度は時時刻刻変わってしまうため発電量が不安定すぎて電源としえは極めて不都合なものとなっています。

フランスでは広大な平地を国土として持っているにもかかわらず発電総量の80%あまりが原発によるもの。
良く引き合いに出されるドイツは、そのフランスで原子力発電した電力を買って電気の不足分をまかなっています。
長期間運転してきた原発を一時的に停止するに当たっても不足する電力はフランスが原発で発電したものを買ってまかないます。日本では東京のために地方を犠牲にすると批判がありますが、あこがれのドイツは、隣国フランスを犠牲にして自国の原発を止めフランスにはせっせと原発を稼動させるという実に身勝手なことを続けています。

さて、チェルノブイリと同じレベル7なのにチェルノブイリとは違うということばかりテレビでも取り上げ続けています。
いい加減意味のない比較はやめて、具体的日本がお変えた現状と考えうる状況判断と、これから起こる最悪な状況や有りそうな状況を、たとえば台風の時の進路予想円のように図式化して、努力はここを目指し、ブレる範囲はここまでということを明示すればいたずらな不安もなくなりますし、無意味な海外事故例を引き合いにだすこともないでしょう。
この方法はあまりにも失礼な方法です。

たとえばわたくしの住む秋葉原で大量殺人事件が起きましたが、大阪で起きたXXよりましとか、死刑という極刑ではあるが名古屋の闇サイト殺人事件より計画性がないとか共謀していないとか、お金を貰っていないからなどと比較し続けたら、その相手はどう感じるでしょう。また、周囲からはどう見えるでしょう。
いい加減世界から相手にされなくなるような他国の過去の事故を引き合いにだすのはやめるべきです。

30年も前の事故と同規模の事故を起こしたなんて話にならないくらい情けないことです。
この30年で人類は月に立ち、太陽系内に探査機を飛ばし、日本だって無人探査機を回収しました。
コンピューターはありえないほど発達し、チェルノブイリの頃の世界最大級のコンピューターと同等以上の経産ぬ力を持つコンピューターをひとり一台近く持つようになっています。
そんななかで起こした事件ですから、過去の事故を引き合いに出し続ける恥ずかしい真似はいい加減にしてたいものです。



余談ですが、福島第一原子力発電所で外部電源が接続されたニュースを聞いて一番に考えたのはより危険になったということです。なぜならすでに経験してしまいましたが。外部電力ではそれが絶たれると再び冷却能力を失います。しかもその可能性がとても高い。なぜなら送電線は一系統しかなく、さらに発電能力は計画停電を実施する寸前まで悪化しているからです。
※東電は実施しましたが、福島第一原子力発電所が電力供給を受けている東北電力は実施直前でやめました。
復興が進むと電力諸費が急増します。
すると大規模停電が発生する確率が急上昇します。
しかし、発電所は福島第一原子力発電所が壊滅し火力発電子大規模なものだけで約500万キロワットも喪失していますし沿岸部は壊滅状態で発電所の多くも大被害を受けています。
今後数年間にわたり大規模停電の可能性が高確率でつきまといます。
冷却が進んで安全になってきていると言いはりますが、大事故を懸念して海水をヘリコプターで散布するという笑いものになるような行為に出たのはつい最近のことで、その燃料棒は3~6ヶ月も冷却されてから時間が経ったものです。

6基もの大規模原発の炉心や燃料プールを冷却するのに必要な電力を外部から供給し続けるのはリスクが極めて大きい。どれかを稼働するか、小型発電所を内部に2つ以上設置するべきでしょう。状態が落ち着くのを待てるほど安定した状態とは程遠いので、都内への給電確保より優先して小規模発電所を福島第一原子力発電所すぐそばに設けるべきでしょう。

そして次に大きな危険は余震と呼ばれる大規模地震。
3.11まで恐れられていた規模の地震が余震としてきそうです。
3.11は大被害になったものの海底地震だったため津波の影響が大きかったものの直下型になればマグニチュードがひとつひくくなっても8ですから超大規模地震で震度7を軽々超える揺れを起こします。
すでにボロボロの発電所が、その揺れに耐えられるのかは全くの未知数です。
調査さえしようともされていません。
リスクを正当に評価すれば放射線云々と言っていられる状況ではなくロボットでも建築機械でもいいから投入して非破壊検査を進めなくてはいけない事態です。

次の地震も予期しなかったりしないで欲しいものです。

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