楽天

知っておきたい助成金・給付金

2011年4月26日火曜日

孫正義さんの自然ネルギー財団構想は経済人としてありかなしか

孫正義さんが3.11東日本大震災に当たりあまりの被害の大きさから身銭を切って100億円を直接寄付し、さらに今後のソフトバンクからの代表としての報酬の全額を寄付し続けるという。
そのうえ、原発問題に憤りながらも私財10億円をさらに投じて自然エネルギー財団を作り太陽光発電筆頭に風力発電その他の再生可能自然エネルギーの開発に充てるという。

この動きに池田信夫さん筆頭に批判する評論家が多い。

ある意味当然で賛辞を送るだけではおまんまの食い上げになるのが評論家という仕事。何事であれ逆のことを言い続けなくてはいけない、ある種天邪鬼を転職と定める人々であることは忘れるわけにはいかない。

さもなくば御用学者と呼ばれる存在になるのが手っ取り早いけれど、批判的に使う御用学者、果たして職業として成立するかといえば、はなはだこころもとない。なぜなら、御用学者は時のトップに対する女衒のような存在ながら、トップほどコロコロ変わるものはなく、ついて行ったトップがこければそれでおしまい。世渡りの難しさは評論家の比ではない。

さて、評論家の意見はなので横においておこう。
では、孫正義という毛台の、ではなかった稀代の経営者が経済の基礎であるエネルギー政策に付いて大きな過ちを犯しているのだろうか。ゼロから一代でソフトバンクグループを築き上げた経営者が、ただの評論家たちよりも経済オンチということがあり得るのか。
そういう方向もおいておきましょう。まずありえないですが感覚的な話になりかねません、

では、具体的に考えてみたい。
まずお断りしますが評論家が好きな数字は極力避けます。
なぜなら、数字を使うのは一見正確で検討を加えやすそうですが実際には読者を騙すのが目的であることが大半だからです。同じ数字でも、あたかも弁護士が原告か被告、どちらにつくかで180度見解を変えられるように、見方、見せ方でひとつの数字を真逆に解釈しそれを納得させる弁舌の技を持っているからです。

太陽光や風力発電が日本において実用的なのかという指摘。
これは、わたくし自身が否定し続けてきました。
日本は梅雨があり秋の長雨があり冬には雪に降り込められ夏には台風が襲ってくる。
太陽の光で発電するのにはあまりに不利で風力も安定した風がヨーロッパと異なり期待できません。
砂漠地帯やヨーロッパ大陸のように日差しが安定して降り注ぎ、風が常時安定して吹き続ける気候風土で、かつ広大な大地を持たないと薄い密度の自然エネルギーを人間が工業的に活用できるほどの膨大なエネルギーを取り出すことはできません。

自然環境に恵まれず、かつ、狭すぎる国土。しかもその7割は山間部です。

ところでアメリカはご存知のように巨大な台風が襲いかかり、映画になるほど巨大な竜巻が頻繁に襲う自然環境はヨーロッパに比べ過酷で自然エネルギー利用にはあまり向かない国土ですが、自然エネルギーは活用されています。

いますぐ実用的かというなら、全く無理です。
しかし、逆にだからこそ孫正義という稀代の経営者が財団を作るり、かつ、20年にも渡り全量買い上げの補償と価格の補償を求めるという評論家から非難を浴びると分かっている前提条件を真っ先に挙げているわけです。
そしてその間に実用的な領域まで技術と商品化を推し進め、保護が不要な発電産業に育て上げる、かつそれだけでは足りないので自ら財団を作り世界中から100名以上の優れた研究者を集め叡智を結集して問題点を解決するのだと、とても経営者らしい合理的なことを述べているのに、評論家の皆さんはそれぞれの極々一部をとりだして、おかしいとか矛盾だとか180度違う解釈を付け、お金稼ぎに全身全霊を上げていらっしゃいます。国難などと口先で言わず、本気で今どれほどやばい状況下を考えて、少しは自分の稼ぎを忘れていただきたいもの。普段は評論家など役に立たないと言われるだけの存在ですが、役に立たないどころか火急の今は管さんよりも始末に終えない悪い存在に堕してしまっています。


まとめますと、現段階では自然エネルギーは日本では実用域ではない。
だからこそ、競争力もなく開発が必要で財団を作り開発していく。
経済原則に任せれば、火力発電などに太刀打ち出来ないのでめどが十分につくまでの期間として20年という長期間を設定し、その間価格を定め全量買取を求める。
これにより多くの企業自治体が発電に算入することが容易になることで発電の比重が自然エネルギー重視へと自ずから変わっていきます。
また、設備の開発も商品化も安心して行うことができますぁら、技術開発も進むし商品化のための設備投資もできます。

購入単価は今決められている金額をそのまま継続することを求められていますが、この意味は微妙でご本人にうかがわないとわからないですね。
わたくしなら、利益が出せる金額の補償をさせる。
その額は低減していかなくてはならない。
しかし、はじめに参入した人は設備の減価償却が終わるまでは、設備を更新できないので初期の売価が保証されなければ参入できないので20年といった長期の保証を求めるのはごく普通のこと。しかし、発電効率が上がり、つまり発電単価が下がるにつれ販売単価は下げるべきですが、それでは利益が小さく参入者が増えない。自然エネルギー活用を促すには目先の利益が重要で、それをよく分かっているから無茶を承知で20年間の価格維持を言い、かつ、それが難しいことは承知しているのではじめは言える上限ぎりぎりの条件を提示しているのではないかと推測しています。


別の方向から考えます
原発維持派の人々は、石油危機がすぐにも来る。
燃料価格は高騰するに決まっている。
その時原発という安全弁がなければどうしようもなくなると主張されます。

そしてこれは、原発を日本のトップや経済界トップが死に物狂いで日本に導入した理由ですし、第二次世界大戦に突入せざるを得なかったのも石油を絶たれたことが大きく、石油依存を減らさなければならないのは事実です。

だからこそ、いますぐにも自然エネルギーを導入しなければならない、という孫正義さんの主張がうなずけてきます。本来経営者ならばもう少し余裕を持ち、経済的な競争力をつけてから導入をしようと、技術開発のみに注力求めてもいいのですが、それでは日本の将来が危険すぎます。
石油や天然ガスはい使えなくなるかわかりませんから、一刻の猶予もない。
そして買われないものは、技術開発もなかなか進まない。
進歩を促進し、日本の安全保障をも考えるとすぐに大規模に採用される必要がある。
そして、化石燃料の入手が不安だからとこれ以上原発を増やせば違うリスクが高まりすぎ日本そのものの存続を危うくする。
自然エネルギー開発は唯一の妥当な代替案だと言えるでしょう。


一部には海底に眠るガスに期待する向きがありますが、埋蔵量は無尽蔵ではなく、また採掘することでどのような問題が出るかは全く未知数。深海底からそうそう簡単には採掘できない上、隣国との紛争の火種でもあります。

実際海底天然資源が確認されている海域では中国がすでに採掘の準備を進めていて、日本の外交は完敗状態です。メタンハイドレードも独占的に採掘できる補償がありません。日本のものだと主張するのは当然ですが、不確実性が高すぎます。そして放っておいても、そちらは進めている企業もあり成功するならそれでよしとすればいいだけなのでしょう。


残る問題は買取価格です。
電気代が4倍強になりそうな価格を提示されていて、さすがに負担できない。
これは個人でも企業でも同じです。
負担すべきコストを電気代とするのか、税金を投入するのかは経済人の考える分野ではなく、国家を運営する政治家の専任事項。
食料には莫大な税金が投入され、かつ、海外の安い食料品には恐ろしいほどの関税をかけ日本人は世界に例がないほど高い食料を購入し続けています。税金の投入先に電力を当ててもいいでしょう、まさに、政府がこの国の将来をどう考えるかの問題であり、誰に、どの政党に投票するかの指標にすればいいでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿