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2011年5月22日日曜日

いまこそ再発明したい技術:スターリングエンジン

スコットランドの牧師ロバート・スターリングが1816年に発明したといわれる
外燃機関であるスターリングエンジン。


エンジンといえば内燃機関しか芽にすることのない現代
というよりイギリスの産業革命で主流となったのも内燃機関
以降、内燃機関の改良・発明はやむことなく性能を上げ続け
現在に至っています。

スターリングエンジンも10年に数回くらい話題になることもある
忘れ去られ歴史の中に埋もれきってしまったわけではありませんが
実用としては潜水艦のエンジンに使われる程度。

原発に似て冷却能力が性能の鍵を握っていて
水中でなら最高の能力を発揮しやすいのですが
大気中ではどうしても効率が悪い。

しかしスターリングエンジンは現在の日本には有望な技術です。

パソコンでも高性能機や静音パソコンに使われるヒートシンク技術。
とても似通っていて、ヒートシンクにエンジンをつければ
スターリングエンジンになります。

熱を奪いながら発電できる。

ここが注目すべきところです。

火力発電でも効率を今以上に上げたければタービンを回したあとの
排熱の活用が重要になります。
今注目のガスタービン発電も発電したあとの高熱を若干は利用するものの
大半はお湯として使うだけです。

大量にガスタービン発電を始めるとお湯がだぶつきます。
そうなると発電効率が悪化する
つまり燃料であるLPGをムダにすることになります。

また、原発の炉心や使用済み燃料棒を冷やすのに
大量の電力を消耗していて電力の切断が大事故に直結する
薄氷踏む状態が続いています。

スターリングエンジンならば、核燃料から放出される熱をエネルギー源として
発電できるので冷却用の水を循環させることができます。
原子炉を止めても冷却が必要な間(発熱する間)自前で発電して
冷却を継続できる。

この時、冷却水で冷やすのは炉心や燃料棒ではなく
スターリングエンジンの心臓部分になります。

ちょっと無限機関ぽく見えますがエネルギー源は
核物質なのでそういうごまかしはありません。

炉心や使用済み燃料棒から発生する熱をエネルギー源に
スターリングエンジンを駆動する。
つまりスターリングエンジンが熱を奪うわけです。

奪った熱は冷やさなければならず水を循環させる。
そのパワーはスターリングエンジンを用いる。
発電して電気で電動ポンプを動かしても良いですし
直接スターリングエンジンを動力としてポンプを回すほうが
効率は高いでしょう。

これから廃炉をしていくならばとても重要になる技術です。
廃炉の過程では発電できず冷却に大量の電力が必要という
大変に危険な期間が数年間も続くからです。
重油やLPGを冷却のためにさらに消費するのはエネルギーの壮大な浪費です。

いまあるスターリングエンジンではお湯程度では十分なパワーを
取り出すことができません。

加熱する側と冷却する側の温度差が大きくなくてはならないからです。
この温度差を小さくする。
具体的には数十度以下にする。
そして加熱側の温度は高くても100数十度。
目標は30〜60度

たとえばLPGをから発電するエネファームでは排熱で作られるお湯の温度が
現行品で約60度
今年販売開始となる新型で75度です。
このお湯(排熱)をさらに発電に使えると一気に
LPGを燃料とする燃料電池が実用的になります。

自動車への利用は諦められつつある水素やLPGですが
このような方法で発電効率を上げればガソリンのハイブリッドカーの代わりに
ガソリンエンジン部分をLPGからの燃料電池とその排熱からの
スターリングエンジンによる二次発電でまかなえる可能性が出てきます。

LPGはタクシーにしか使われていませんが、燃料電池として使うと
発電所の電気との併用でEVカーの実用性を現実レベルに
引き上げることができます。





それを可能にすると一気に大量のエネルギーを生むことができます。
政府が好きな用語をつかうならば、都市に眠る埋蔵エネルギーの活用です。

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