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2011年5月16日月曜日

何故か語られない急性毒性と長期毒性の違い

無用に恐怖心を煽るだけに終わりかねませんので
わたくしも書かずに来たのですが放射能が垂れ流され続け
すでに2ヶ月以上が経過してしまいました。

その間、重要なのにあえて語られない
あるいは、あえて無視され続けてきたのが
急性毒性と長期毒性の違いです。

たとえば、発ガン物質として有名なのが
石炭からできてしまうコールタール。
強い発がん性があり扱い続けると
ガンが発生する可能性が極めて高い。

ところで、では一回コールタールに触ったら
それで終わりでしょうか。
コールタールに誤って落ちたら即死
あるいは確実に癌になるでしょうか。

コールタールを長期間薄めたとしても
皮膚に塗り続けると簡単にがんにできます。
しかし、溺れ死んでしまわない限り
一回や二回、コールタールに使ったとしても
よく洗い流せば心配無用です。

毒にはいくつかの性質があり
ひとつは致死量と言われる50%以上が
摂取すると死ぬ量です。
もうひとつがコールタールのような
長期の毒性です。

大震災で問題となっているアスベストも
長期間吸い込み続けるのが問題です。
※肺に入り込むとそのまま残るので
短時間でも健康被害が懸念されます。


さて、放射能について言われていることは
ほとんどが短期の毒性を長期の毒性と
あえて混同して使われているのが問題です。

たとえば飛行機に乗る
たとえば医療用放射線を浴びる
知っているくせに専門家や擁護派の評論家は
意識して避けられるかどうかという
わざわざミスリードして問題をごまかします。

飛行機で何十年も飛び続けるのは無理です。
24時間飛び続けると話題になるでしょう。
一番長時間飛ぶ可能性があるのは
第三次世界大戦勃発時のアメリカ大統領
専用機に乗り空中給油受けながら
作戦指揮する可能性があります。

逆に言えば一般の人が30時間も飛び続けることは
滅多にありません。

また医療用放射線にいたっては瞬間です。

コールタールの例のようにあまり問題にする必要がない。
注意しなくてはならないのは急性の毒性で
こちらは数シーベルト一気に浴びるとどうなる
といったべらぼうな放射線の量が問題になります。


ではなにを問題視するべきなのか。
それは非常に薄めたコールタールも
長期間皮膚に塗り続けると簡単に癌になる。
例えば半年分を濃度を濃くして一回だけ塗り
洗い落としたとしたらまず問題がない。
つまり長期毒性とは
時間あたりの量×期間でもとめらる総量を
瞬間的・短時間で受ける急性毒性の量と
比較することはできないということです。

瞬間になら問題にならない量を
タップリと薄めて長期間与え続けると
とても大きな確率で障害が発生する。

放射線の害を発がん性だけだと
歪めて伝える人もいるので
あえて発ガン物質であるコールタールを例にしました。

つまり1時間とか一日とか数日とか
短期間に受けるなら急性毒性が問題で
その量は放射線の場合も割に大きいらしい。
100ミリシーベルトを短時間で被爆しても
専門医でも影響が発見できないそうです。


ただそれを薄めて長期間浴び続ける
コールタールの発がんテストのようなことを
やっているのかというとはっきりしません。
少なくとも世界的な基準では
今の日本が採用しているような異常に
高い放射能を認めていません。

認めているのは急性毒性に関してです。
つまり短期間やむなく浴びるならこの程度まで
という基準がありますが、それを食べ続ける食料や
生活する土地、子どもの学校などにまで
分かりにくいからとまるで大丈夫なように
急性毒性基準を長期毒性基準のように
すり替えてしまっているのが大きすぎる問題です。

参与の方が泣きながら辞任会見されていましたが
その言葉を否定するために政府関係者の方々や
評論家の方々は彼が作業者の上限について
250ミリシーベルトではなく国際基準の
500ミリシーベルト(あるいは1,000ミリシーベルトとも)を
主張したから信用できないと言われますが
辞任するほどショックを受けているのは長期毒性について。

短期毒性については逆に低ければ低いほどいいに決まっていますが
では毒としての影響がどこで現れるかというとき
国際的な期間で検討重ねた結果がもともと
500ミリシーベルトだから作業しにくくなるような
学問的にも医学的にも根拠のない低い数値を使うのは
間違っていると指摘しているだけで
長期毒性と短期毒性を分けて考えれば矛盾ありません。

福島で放出している大量の放射能が神奈川県の静岡県より
300キロメートル近くも離れた場所の
お茶という放射能を吸い込みにくい農産物から
500ベクレル以上も検出されてしまいました。
500ベクレルという数値も短期毒性に過ぎません。
水道水の100ミリベクレルなども同様短期毒性です。

長期毒性を本格的に考えなくてはいけない
2ヶ月を過ぎてしまった現在では
恐怖心を煽るのはいけないという
人間を信用しないだけの話のために
現実を直視する事実を伏せるのは間違っています。


ひとは、どのような刺激にも長期間続くと慣れてしまいます。
放射能汚染についても、常時福島第一原子力発電所の原子炉から
大量に放射能を含んだ水蒸気が待機に直接放出され
はるかに高濃度の汚染水が地下水をおそらく汚染し
海洋汚染を悪化させ続けていますが
原子炉が爆発するといった新たな大事件がおきるまで
なんとなくなれて感じなくなりつつあります。

急性毒性はすぐに分かるので危険性を感知できますが
長期毒性はコールタールの例ならぬられるものが
濃ければむずがゆかったりで気づけるでしょうが
十分薄められてしまうと感じ取ることができないまま
一定期間以上継続すると癌になってしまいます。
急性毒性と違い瞬間的に付着するのではないので
洗い流すといった行為もあまり効果を発揮できません。
(洗い流してもまた付着するから)


長期の毒性は何ヶ月、何年、何十年と
時間を置かないと発現しません。
しかも因果関係を突き止めるのが難しいです。

今では常識のコールタールの毒性も
長期毒性であったために発見が遅れました。
この7~8年社会問題化してきている
アスベストの毒性も認められるまでには
とても長い期間と多くの訴訟を必要としました。
それまでアスベストは大変安全で優秀な
建築や工業分野の重要な資材でした。
素手で触ってもチクチクする程度で
とりたててなにも起きません。
呼吸して肺に入りそれが長期間そのまま残り
徐々に人体を犯していきます。

水蒸気の発生や汚染水の海洋汚染を
3ヶ月も止められないの事故発生時点で
かなり悪い方のシナリオでした。
つぎつぎ後手に回り、毎回最悪手を選ぶ感のある
事故対策では長期毒性の危険に対し
真剣に向き合い検討を加えませんと
手遅れになりかねません。
とはいえ、数日が致命傷になる話でもありません。

日本以外で基準について再検討し
主権など気にかけず人道的な立場から
勧告をしてくれることを祈るばかりです。

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