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2011年5月5日木曜日

必要悪とその限界とは、ヒールとベビーフェース

twitterを見ていて思うのはどうしてこんなダメな意見を開陳する人が政治家であったり評論家としてテレビでもてはやされたりメディアに登場してしまうのだろうかということ。
3.11以降の何万人もの生死がかかった戦いの中でもそうした方々はいたずらに自分の利益増大にひた走って、有益なあるいは救世主的な人やアイディアを潰しまわっている。

テレビ局始めメディアをよく批判させていただくけれど、その実、そうしたところのそこそこの地位にいる人はやはりひとかどの人が多い。もちろん、後ろ指さしたくなるような点がすぐ見つからないかと言われれば、いくらでもあるかもしれないがそういう事を言い出すと聖人君子なんて何十億人にひとり世に出て活躍できるかどうかで、ほとんどは道半ばで消え去ってしまう。多少の害毒を持っていても消え去ってしまうより、何がしかの功績を残してくれる人が必要ではあるのです。

さて、そういう意味でこれほどダメな人たちをあえてこんな時にテレビに出し続けるのはどういう事なのかと連休を活用して考えてみました。
答えはやはり人の心にありそうです。

少しはずれますがプロレスを見ると分かりやすいです。
嫌いな方も多いでしょうがプロレスや大相撲が流行するのは、実はものすごいスターが現れた時ではなくてものすごいヒール(悪役)が現れ、二度と見てやるものかと思わずにはいられない時です。
もうハラハラドキドキどころか、その場にいってパイプ椅子を振り上げ退治してさし上げたくなる。
そんなどう仕様も無いヒールが登場すると、否応なしに盛り上がり視聴率も跳ね上がるのです。
そしてそこにさっそうと、ちょっと弱いヒーローが登場する。
彼・彼女は綺麗事を言い続けるのでパイプ椅子を振り回すヒールに叶うはずがなく血みどろにされてしまいのたうちまわる。
その悲惨な姿を見せつけられて、視聴者は思わず応援せずにはいられなくなる。

いつしか細かな相違点は忘れさり、まずは投げ捨てられたそのテーブルを持ち上げたとき振り下ろせと声を限りに応援してしまったり、あるいは両手で目を覆いながらも隙間を開けてどうか一回だけはヒットしますようになどとつい思わず普段なら許せないようなことを許してしまったりする。

そしてちょっとしたテクニックを弄するくらいならば、むしろ大声援を送りつつ見事に逆転勝利しフラフラになりながらレフェリーに手を高く差し上げられると必死にエールを送ってしまう。
そしてヒーローはさらにヒーローになっていき、ヒールはより汚い反則を繰り出しヒーローを追い詰める。
時には完膚なきまでにヒーローをたたきつぶしてしまうが、不思議なことにそういう時は別おヒーローが立ち上がる。

そう、人は正義をいくら言われても平常時には反応が薄い。
どんなに華麗な技を繰り広げても、それに酔いしれることができるのは一部のファンに限られる。
凶悪でどうにも始末の負えない、ヒール(悪役)が現れ傍若無人に荒らしまわり勝ち続けたとき、初めてヒーローが渇望され、逆転勝利すると溜飲を下げる。そんな時だけは不思議と普段見ない人も見ているしヒーロー応援している。

もちろん、一部熱狂的なヒールファンもいて応援を続ける。
ヒールは強えれば強いほど、反則をすればするほど、理不尽であればあるほど人気を博し、ヒーローを盛り上げる。

ちなみにヒーローとは言わず、アメリカではベビーフェースと呼ぶ。
このほうが実態に近い。
ベビーフェース、直訳すれば「赤ちゃん」「顔」
か弱ささえ含むその呼び名こそヒーローに求められる実態かもしれない。
ヒーローがヒーローらしく強すぎるとあまり受けない。
悲惨なほどやられ、愚直なほど反則をせずそのまま反則を受け止めてのたうちまわるほど、やり返してしまえと心のなかで叫ばずにいられないほど人気が出て、どんな反撃でも許容されるどころか熱烈に歓迎され、語り継がれていく。

ヒーローを生み出し、事態の解決をはかろうとすれば、そこには自ずから凶悪で醜悪なヒールが不可欠になる。
そういうことを理論より感覚として十二分に理解している人たちだからこそ、どう仕様も無い人を引き立たせたり画面に登場させたりメディアで扱って見せているのかもしれない。たぶん、現場ではそこまで考えず視聴率取れるから、対比が面白いから、盛り上がるから、受けがいいからとヒールを出しているだけかもしれないけれど、案外正解なのかもしれない。

そうした視点で眺めるとなんとヒールの多いことか。
たまにここで取り上げる評論家の先生も力がまだまだ足りないけれど十分ヒールとして活躍されているし、東京都の上層部は実にたくましいヒールではないか。東電の役員はそうそうたるヒールで、ヒールは形成が悪くなればリングの外に素早く逃げ隠れするものだが、そんなところまで忠実に再現している。ずる賢く悪賢くなければいけないヒールは、凶器をいかに隠しレフェリーには見えにくく視聴者にはしっかり魅せつける必要があるのだけれど、原発の現場作業者に食事さえ出さなかったり報酬減額しますけど大学教授の二倍くらいはまあ貰っても当然ですよというのも実にヒールらしくて清々しいくらいに許せないのはヒールとしての面目躍如している。
恫喝したりヘリコプターから降りるときの表情など見事なまでのヒールっぷりを魅せつけてくれる総理もヒールとしてみればトップに上り詰めるだけの逸材なんだと理解できる。ヒールは常に憎らしく強くなくてはならず下っ端は務まらない。プロレスでもなぜかチャンピオンベルトを腰に巻いてしまうものだし、絶対3カウント取られて王座が移動するようなときでも、あえてレフェリーに見え見えの普段はやらないほど下手くそな反則は技を繰り広げ、あっという間に反則負けする。当時は反則負けではタイトルは移動しなかったからヒールは一旦チャンピオンになると不動のチャンピオンとしてその座に居座ってしまう。それを破るにはものすごい技を繰り出して瞬殺するしかないがヒールは強すぎて無理だ。散々やられ血みどろになりながら、隙をついてスモールパッケージホールドのような小技で勝ちを拾う。普通はそんなモノ通用しないが、稀にそれでチャンピオンが移動する。そうした後の大乱闘はお約束で、その傍若無人ぶりでヒーローの情け無さは忘れてもらえる。

ヒールは十二分に登場し尽くした感がある。
さてベビーフェースは誰なんだろう。


そしてヒールには実はとても大切な事がある。
それは実はヒールは以外にも裏の顔はナイスガイで演じているだけということ。
本当の屑だとどう仕様も無い。
現実の世界で困るのは、本物のヒールがいない、似非ヒールでしかない人が多く、またヒールに求められる引きどき、そう、なんでこんな時スモールパッケージホールドなんて小技喰らえるのという、妙な呆気無さとまけ時を知っていることがなにより大切で、暴れ回るうちに自分の本分忘れて本当のただの悪に成り下がってしまうと、本気で退治され引退を余儀なくされる。現世のヒールもどきの方々も、ヒールの本分を思い出し、まけ際を間違えないで欲しい。
そうすれば大丈夫、ヒールこそ常に求められていて、心配しなくても食いっぱぐれたりはしないのだから。
なんせヒールは汚れ役で、お金を貰っても嫌だと思う人が多い。それを買って出るあなた方はある意味貴重な存在で、そうやすやすと消え去ることはない。

プロレスの世界を見てもホンモノのヒールはとても長命
そしてヒール引退後には案外素直な素顔を晒し人気ものになったりする。
女子プロレスラーのヒールを追いかけてみれば、その後が分かり安心して負けられるだろう。

ヒールはとことん悪に徹するまではうまくやれているけれど、とことんどう仕様も無いのも出来ているけれど、一番大切なのは負けるべき相手に負けるということとそのタイミングだ。まもなく3.11から丸2ヶ月がたとうとしている。いい加減負け時を知らないとさすがに本気で見捨てられてしまう。タイミングは重要ですよ。




ヒーローは

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