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2011年3月27日日曜日

文明開化後のエネルギーの歴史は血の歴史

日本ほど循環再生をうまく行い文明的で文化的な国は歴史上なかった。
日本のように木を燃料とすると山を燃やし尽くしあっというまに、国土を広大な砂漠に変えてしまう。
日本は奇跡的に千数百年にわたり循環再生できるものだけで運営され、それでいて大都市は当時の世界最大規模の人口を誇るほど栄えた。

バラ色だけではなく、それを維持するには士農工商の制度を徹底し代々親の職をそのまま継ぐのがあたりまえで、次男以降は生活さえままならず、個人の適性を活かすといったことはままならなかったし、天明の飢饉始め大飢饉になんども見舞われている。それでもしぶとく生き抜きかなりの築いていました。

江戸末期黒船の来航と共にそんな円熟した文化文明は終演を迎えましたが、困ったことにエネルギー問題というどうしようもない難問をかかえることになりました。

第二次世界大戦も西欧列強からうけた石油の禁輸が最後の一線を超えさせたとも言えます。

最後の戦争が終わると、日本ではエネルギー源をなにに求めるかで議論になります。石油という日本にないものに頼れば同じ轍を踏むかもしれない。

そこで着目されたのが国内に存在するエネルギー資源である石炭でした。
黒いダイヤと言われるほどの価値有るものとなりましたが、度重なる炭鉱事故によりついには自前でのエネルギーを断念することになりました。
大勢の命が炭鉱事故で失われ労働争議も絶えず、いくつもの街の灯りが消えました。

そして石油依存へともどるわけですが、やはり石油への依存は怖いという国是のようなものがあり石油以外のエネルギー源が求められ、その行き着いた先が原子力発電でした。
燃料のウランは輸入ですが中東でもアメリカでもイギリスでもなくオーストラリア。
しかも、再処理すれば使用済燃料から再び燃料が再生産できる。
核分裂の過程で中性子を浴び、ごく一部が核分裂をより強烈にお越しより大きなエネルギーを取り出せるプルトニウムの同位体に変わる。それを集めて燃料にすれば循環再生方のエネルギー源を確保できる。しかも核エネルギーは寿命が恐ろしく長い。ウランの半減期は自然に任せれば7億年もありますからのんびり使えば無限のエネルギー源に見える。

大反対の中でも、油断の恐怖から日本を開放したいという方向性はおそらく純粋で、他に実用化できそうな技術がなかった時代としては危険性も十分理解されていなかったことも考えると妥当性を認めるべき部分もあると考えられます。
残念ながら、黒いダイヤが多くの血を要求したように金属色のダイヤもまた多くの犠牲を求めて胎動しています。


それでもつぎのエネルギー源は必要です。
超短期的には液化天然ガスが最有力でしょう。
採掘技術にブレイクスルーがおき、一気に採掘量と採掘可能埋蔵量が増えましたし、燃焼後の排ガス終わりにクリーンです。ガスタービンエンジンなど発電機も実用化されています。

しかし、原子力発電の世界に占める発電量は莫大で、それが今後石油など化石燃料へと移行していくのがトレンドになると言える中、石油価格はさらに上昇し、つられて液化天然ガスの料金もあがりますからコスト面で依存度をむしろ下げていかなくてはなりません。

風力や太陽光発電は、狭く梅雨があり雪が積もり台風が襲来する日本の気候風土には到底向きません。植物からアルコールなどを作り燃料とするというのも、やはり国土の狭さがわざわいしてガソリンの補助にするのもむずかしい。

日本で可能そなのは従来の研究では波のエネルギーを使う潮力発電や、海の海底の低温を利用する温度差発電くらいですが、津波を考えると依存度を上げるのは危険でしょう。

ではなにもないのかというと、火山地帯の特性を生かした地熱発電は海の温度差発電の技術を取り入れれば数倍の発電ができるように発電力をあげられるかもしれません。国立公園の制限を解除したり、使われていない山のエネルギー利用を促進できる法整備を行えばある程度の発電力を確保できそうですが、山の中なので工事は大変ですし工事中の自然破壊の問題と送電線の長さなど課題が多く水力発電プラスアルファ程度が上限でしょう。

ほかにはというと、先日ブログにも書いた振動発電という新技術はとても可能性を感じさせます。開発者は首都高に設置するだけで都内の電力需要をまかなえるという夢を描いています。

首都高速を走る車の振動を電気エネルギーに変えるので人間の活動量と発電量が比例するのも魅力的です。そして再生というより常時発生している捨てられていたエネルギーを電気エネルギーに変えて使うだけですから輸入の問題からも解放されます。
※蓄電池かキャパシタがほしくなりレアメタル需要は残るかもしれません。

振動エネルギーの利用という点では首都高以上に鉄道への導入が魅力的です。線路という面積の狭い部分に運動エネルギーが集中していますので変換効率が高くなりますし、電車は重量が重いので発電量も増やせそうです。自分が移動するときの振動を電気エネルギーに変え回生エンジンのように利用できれば消費電力が激減する電車が作れそうです。

また照明も大量のエネルギーを消費しますが太陽光を取り込む技術も開発が進んでいて郊外型のコンビニであればすでに適用できる技術がほぼ完成しています。

振動エネルギーで車道や鉄道で発電するということを実用化できれば活動の活発な都市部のエネルギ需要がかなりまかなえ発電所を順次閉鎖することさえできるかもしれません。
電力料金が劇的に下がり産業の競争力もアップしますし、技術の輸出国に返り咲くことも期待できます。

また漁では食用にできないあるいは価格の安い魚が大量に廃棄されています。
放射能による海洋汚染の影響で食用にできない魚も増えてしまいそうです。
かつてアメリカは捕鯨大国で鯨を取りその油を工業用に大量に消費していました。
食べられないさかなや経済的にペイしないからとあみにかかりながら廃棄されている魚から油などを採って燃料用に使うことも十分検討に値します。食用になっていない廃棄部分からも油を抽出できます。


また、埋め立てられたプラスチック類を掘り起こして燃料に再生することおそろそろ考えても良い時代です。数十年にわたり石油を使いプラスチック類を作り埋め立ててきました。彫り出して液化すれば立派な燃料が10年分くらい取り出せるかもしれません。少量では採算に合わなくとも十分な料が埋め立てられていますから新規に油田を採掘するより効率は良いはずです。

また生活の場で使われるプラスチックは、すでに石油ではなく廃紙を再生して作る技術が大学で実用化されています。石油の消費量を減らし海外への支出を減らすことで再生への資金を生み出す下地は国内に様々存在しています。

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