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2011年3月22日火曜日

日本固有と思われた序列「官尊民卑」は崩壊していたのか

メディアでは長らく日本は官尊民卑の国と言われてきた。
少なくとも子供の頃からそのような仕組みなんだ、いつまでたってもお上なんだと考え、それが判断基準になってきたように思います。

東北関東大震災での福島第一原子力発電所の重大すぎる事故で、官尊民卑とは創り上げられたイメージに過ぎず、実は名を捨てて実をしっかりとっているだけではなく、名もとっているのが民ではないかと、見方の一大転換がおきつつあります。

以前ここでも書きましたが内閣官房長官の枝野幸男さんが一躍男を上げています。
いうなれば政府のスポークスマンですから、こうしたときに矢面にたって釈明と謝罪に当たるのは当たり前の仕事なのかもしれませんが、大臣がこれほど見事に謝罪し、丁寧に対応し続ける姿を初めて日本で見ました。

そして批判が集中していますが、原子力安全委員なるひとたちも、もどかしく、そして邪魔にも感じるものの、矢面に立ち記者たちの必要な単なるいじめに耐え続けてもいます。役人のいわば最も成功した姿の一つでしょうから官のトップがそれぞれ非難の矢面に立ち淡々と自分の職に従事しています。
※ここでは実力がどうかなどは問題にしていません。

さて、本来の当事者である東京電力はどうでしょう。
役員の中でまともな会見さえしたひとはいません。
まして、非難の矢面にたったり陣頭指揮している姿も見ません。
会長一名、社長一名、副社長にいたっては六名もおいでです。

様々多忙でしょうが、内閣官房長官よりも忙しく、その人が陣頭に経つことより優先することがあるとは想像することが難しいです。官房長官と違い8名もいらっしゃるのですから。

官尊民卑であるならこのようなとき東京電力の経営陣8名は少なくとも雁首並べて謝罪の連続となり、記者の執拗な責め苦に会うでしょう。顔さえ見かけないというのは驚きに値します。
あの「わたくしも寝ていないんです!」と名言を吐いた乳業会社の責任者でさえ謝罪会見をいち早くやっていました。

東京電力は官だからというお話も聞きますが、通産省や内閣より上の官であるはずはさすがにないでしょう。いつのまにか、悪代官様が頭を下げる役に回り、越後屋は完全に後ろに隠れられるようなすごい時代になったのかもしれません。

菅首相が東京電力に出向いて怒鳴ったという話も出回っています。
真実のほどは知りませんが、「出向いていき」「どなりちらす」のでは、どちらが上かはっきりしてしまっているのではないでしょうか。上のものが下のものの本拠地に乗り込む必要ななく、呼びつければすみますし、怒鳴るのは往々にして他にできることがない証です。


もっとも官房長官は電力会社の副社長未満の役職であるという位置づけであれば、官尊民卑はまだ継続されているのかもしれません。しかし、総理大臣は官のトップでしょう。それとも官僚のトップが出てきていないので、順序としては官僚>大企業>政治家なんてことが起きているのでしょうか。ドラマの中ではありそうですが。

はたして、マスコミにより日本人が常識的に信じこまされてきた官尊民卑とは現実なのか幻なのか。

今夜初めて6人いるうちの副社長ひとりが、はじめて福島県入りしました。
トップは現場では役に立たないのかもしれませんが、Twitterでみていると孫正義社長のように自社の対応にある程度時間を割いたあとは救援活動へと八面六臂の活動しているひともいます。トップでもいない方がましということはないでしょう。すくなくとも福島第一原子力発電所構内にいれば多少は指揮を鼓舞できるでしょう。8人もいればひとりかけても大勢に影響しませんから企業論理的にも、ひとりを常駐させそうなものですが、そうならなかった理由にもとても興味がつきません。


政治だけではなく全てが混沌として上下関係の思い込みなど実はないのが現実なのかもしれません。

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