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2011年7月6日水曜日

埋蔵電力は使えるのだろうか

60000万キロワットもの発電能力があると言われる埋蔵電力。
※訂正:6000万キロワット
その実態は企業や病院、各種設備で停電などにそなえて準備している自家発電の総合計が日本の原発の総発電量どころか最盛期に東京電力の総発電力を上回ると言われています。

おそらく実態はそれ以上に発電力はあるのではないかとも思われるのですが、それがすぐに電力不足に活用できるのかというと期待するのはこんなんでしょう。

理由は複数あって、一番大きいのは発電力の殆どは瞬発的なものであるということ。工場などで電力を自前で賄おうというものは別にして、ほとんどは非常用発電機のため日本のようにインフラがしっかりしていて信頼できた国では万一に備える程度の能力しか準備していません。具体的には燃料タンクや運転体制で、燃料は半日から三日程度しか確保されておらす、それ以上保存できるタンクもありませんから毎日給油しなくてはなりません。しかしそうした体制は存在しませんので使い始めて数日で大半の発電力は失われてしまいます。つまり燃料補給問題です。

ついで運転体制。
発電機を回すには専門の資格を有する技術者が常時安全を確保していなくてはなりません。
無人運転はできないということです。
普段使われることのない発電機なので、そのような人材も必要最低限しか確保できていません。継続的に運転(発電)したければ、大幅な資格を持った技術者不足に見舞われ、運転の継続は困難です。


そして電力会社側の問題。
これは数年要すると思われる抜本的な問題ですが交流電源のために周波数というものがあります。
わずかでも位相がずれると電力は波なので相殺されてしまいます。
電力会社では非常に細かな制御を行って50Hzないし60Hzの周波数を正確に保っています。

そこに適当に発電されるタイミングの同期されていない電力を流し込むと電力として実効を失ってしまいます。
発電する側は、ほとんどが自家消費しか考えていませんので電力会社との周波数タイミング同期は考えていません。
停電したら自家発電に切り替え電力を確保するというだけの設備です。
これに対してタイミングを同期させるには電力会社側では対処できず発電するたくさんの自家発電装置で、ズレがないように正確なタイミング同期を行えるような設備の追加工事が必要になりますし、発電機の多くはそのような仕組みとは無縁なので買い替えが必要になるかもしれません。

個人的には反対なのですが、それはおいておいてスマートグリッドが導入できて電気の供給と消費を小さな区分に分断できないと実際には埋蔵電力と言われているものはおそらく使うことができないでしょう。

国会討論を見ても本気で何とかしようという建設的な意見ではなく、足の引っ張り合いだけを目的にもめているようにしか見えません。


上記の問題は本質的な問題ですが、大規模な発電所であれば対処可能ですし、近隣のビルだけ配線を加工して発電機から供給できるようにすれば地域の一部ビルの電力消費を電力会社から消し去ることができますから一律15%消費電力削減といった根拠が薄弱で悪影響の大きすぎる対応を軽減できるでしょう。



電力をエジソンが商用供給はじめたころのように直流に戻すのが本当は一番簡単で確実な対策です。今では交流が必要な電気器具ってそんなにありはしません。内部で電圧を変換して直流に変えている家電や設備が大半です。

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