報道はものすごい発見があったかのように大騒ぎしています。
そしてこの騒ぎがふしぎでなりませんし、県単位の出荷抑制措置へクレームがあるのもよく理解できません。
順番に考えてみましょう。
3.11東日本大震災が起き、津波で多くの被害が出ました。
想定内か、想定外かなど関係なくそこには原子力発電所がありすべての機能が停止し原子炉が暴走状態になりました。運のよいことに揺れた段階で制御棒が自動的に挿入されていたために、そのまま炉心がとけて日本に人が住めなくなるということにまではなりませんでした。
そして海水を注入する、ベントを明けるということが決まり報道されました。
はい、ここでふしぎが始まります。
原子炉の内部は密閉しているからこそ放射能が漏れません。
放射能の塊の空気でも蒸気でも大気にそのまま吐き出させれば何が起きるのかは火を見るよりも明らかです。
- 大気中に放射能がばらまかれる
- 風に乗って放射能は各地に飛散する
- 風向きにより大幅に放射能の値は変わる
- ニュートンが発見したように重力があり放射能は下に落ちる
- 落ちる先は地面か川か海
- 農地に落ちれば農作物が汚染されるので野菜などは放射能に汚染される
- 酪農家が放牧をやめなければ家畜は放射能満点の草を食べ放射能で汚染される
- 放牧しなくとも密閉しなければ放射能が餌に混入する
- 人間とは比較にならない大量の餌を食べる草食獣は一気に体内で濃縮する
- 葉物野菜と牛乳に真っ先に放射能が検出される(たべものでは)
- 川にも落ちるのだから水源は汚染され水道からも放射能は検出される
- 海に流れ込むので海からも放射能は検出される
どれも当たり前すぎることで、なぜいま発見を騒ぐのかふしぎです。
大気中への放出が決まった段階で分かっていることですし、マスコミは毎度おなじ原子炉の絵を見せておなじ解説をするのではなく、次どうなるかを知らせる義務がありました。
むしろ11日間も検出されたという報道がなくて、心配で心配で仕方ありませんでした。
報道されないということは汚染がひた隠しにされているということと同義だからです。
なぜそう考えるのか
大気汚染は個人でも放射能測定器を持っている時代で一部調査機関を押さえても情報を秘匿できません。放射能測定器をもって外を歩けば誰でも検証できます。現にIAEAからも数名日本に来て調査していますが、政府発表とおなじ数値だそうです。
すぐばれるのでごまかすはずがない数値なのです。
それに対して食品や水道水は調べるのが大変です。
専門の装置が必要で持っている人がきわめて少ない。
だから情報の隠蔽は簡単です、測定機関を直接管理下に置くかひとを入れ替えてしまえば外部にはなかなか露見しません。
なので、そのようなことが行われていて、汚染から逃れるチャンスを失うかもしれないなと恐怖を感じていました。
それがようやく報道され、大気の汚染から類推しても、まあまあ妥当そうな数値で、しっかり暫定基準を超えています。これが公開されるならまだ信頼し続けることができます。
それで、わたくしとしてはほうれん草の汚染が公開されたときひと安心しました。
次の不安は、基準の改訂でした。
もうどうしようもないのだから、世界標準にあわせますという逃げ口上を言うのではないか。
そうなるともうとめどもなくごまかしが横行してしまいます。
ここでも安心することができました。
基準の無理すぎるほどの安全性を強調しつつも暫定基準を遵守して出荷を差し止めました。
しかも、一部の無責任な批判のように細かく地区を絞ってしまうようなことをせず、県単位での対応です。
なぜ無責任と言えるのか。
それは、普通の汚染と異なり放射能の汚染は風でまき散らかされると誰もが知っているからです。
つまり人間の都合で、なになに町までとか、どこどこ村だけ汚染してくれません。
風向きがちょっと変われば、すぐとなりに放射能(放射性物質)は落ちてきます。
それを取り込んでしまえば、次は隣か、少し置いて別の畑で検出されます。
ですから小手先で、検出された地区を名指しでそこだけ出荷を止めてはいけないんです。
朝令暮改ということばがありますが、まさにそうなってしまいます。
テレビで声明を読み上げているうちに、隣か少し離れた畑から放射能が検出されてしまい、出荷停止先に含める。ちょこちょことそんなことをすれば信用は一気に瓦解します。
いずれ汚染が発見される(発見というかこれから汚染される)確率が非常に高いので、行政の単位である県単位で分かりやすくくくって出荷禁止にするのは英断でした。よく今の政府ができたと驚いたほどです。
これで規制範囲を朝令暮改する必要がなくなります。
惜しむらくは品目を小出しにしていることで、本来は季節の葉物は一括禁止でしょう。
次に起きるのは根菜類の汚染です。
根菜類は葉菜類のように活発に成長しませんから放射能がすぐに溜まったりしません。検出されるまでにはしばらく時間がかかります。
ですから、根菜類を栽培しているなら未成熟でいいから即座に刈り取り売り切ってしまうことをオススメします。それを食べても、まだ汚染されていないので問題ありません。
魚もまだこれからでしょう。
植物プランクトンが汚染され(もうはじまっているでしょう)
それを食べる動物プランクトンに蓄積する(はじまっているでしょう(
動物プランクトンの体内で濃縮され、それを小型の魚が食べる(これからおきます)
小魚の中で濃縮され検出できるようになる
その小魚を食べる大型の魚(人気のある魚たちです)でも濃縮が始まり
やがて検出できる量が貯まる(しばらく時間がかかるでしょう)
なので魚も今のうちに堪能しておくほうがいいでしょう
海水魚よりも淡水魚が先に汚染が発見されるかもしれません
汚染の続く期間に依存します。
というのも川の水は溜まっていないので、放射能が吐き出される期間が短ければ検出されるほどたまらないうちに綺麗になってしまいます。山の土壌に十分な放射能がたまってしまうと手遅れ。
魚体も小さく食べ物も限定されているので検出されやすいでしょう。
海の場合にはどこに降り注いれも、日本では最後は海に放射能は排出されてしまうので、どうしても汚染は見つかってしまうレベルに至りそうです。
ところで、今の10倍くらいの汚染になって発表だろうかなと覚悟していましたので、現段階では恐怖よりも安心感が先にたっています。
来週、原子炉建家からの放射能のあらたな排出がとめられたとしても、汚染はもう少し悪化し、そこからも改善になるでしょうが、それくらいで排出が止まればかなりいい結果です。
魚の汚染もこれ以上量が増えずに来月くらいで排出が止まれば、まぐろの水銀騒動程度で済むでしょう。誰も買わなくなったのに、なにも変わらないのに世の中の報道は180度変わってマグロが手に入らなくなるからどうしようと騒いでいます。マグロから水銀が検出され妊婦は食べるなと騒いだのもおなじマスコミでした。今回も危険性も変わりませんし流れも同じですむかもしれません。
原子炉の事故をどこまで封じ込められるか次第です。
なお別の記事で書きましたが、数ヶ月か数年後に、従来基準で対応を完了したと安心すると大量の放射能漏れを起こし食い止めるのが難しくなります。配管の割れによるモレが検出されてから論議しているうちに一気に善良漏れ出してしまう可能性があります。これは起きるとかなり深刻で対策は既出のとおりです。
誰も信じられない人は自分ですべてを計測するしかありません。
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