2011年5月25日水曜日

福島第一原子力発電所放射能汚染水問題再考

タイトルがまるで中国語のように全部漢字になってしまいました。
海水注入しトレンチに水が発見された時から一貫してその水を冷却用に使うことを主張しています。

1tの処理に1億円も取られると噂されるフランスアレバ社の浄水装置を使って戻すことにしたそうですが、今もって疑問です。

即座に使用済燃料プールに戻していれば、これほど大量の汚染水を作らなかった。

それができない理由だけは、あれこれ上げる人がいます。
いわく、放射能に汚染されているから使えない。

最も理解しにくいできない理由です。
使う相手は放射能の大本である破損あるいはメルトダウンしている燃料棒です。どれほど放射能を含んだ水を使っても影響ありません。(限度はもちろんありプルトニウムたっぷりの水を注入すれば再臨界してしまうでしょう)
放射能の濃度が高くなると危惧しているようですが、水が物質を溶かせる量には限界があり無尽蔵には溶かせませんから、むしろ量を心配するべきです。

推測ですが原子炉にとって問題なのではなく、漏水の放射能濃度がこれ以上高まると作業員が近づけなくなるのが問題の本質で、それを隠しているから正しい論議が成立しなくなります。

しかしこれも、現在の濃度でも汚染水中では作業不可能ですから、圧倒的に量が問題です。
少量であれば隔離しやすくなるからです。


また、金沢大学の教授も再三申し入れを行われていますが、国産でも複数の放射能分離薬剤があり、フランスの装置と違い何ヶ月も準備にかからず使用できます。完璧!?を期してアレバ社の装置を使うと言って、処理しきれず汚染水を海洋投棄してしまうよりも、手元にある技術で高濃度汚染水を問題ないレベルまで放射能を分離して再利用していれば現在の問題の多くは回避できました。
あえてこうして書いているのは蒸し返したいのではなく、まだ装置も出来ていないアレバ社の、実際には実績の再装置を頼るよりも原理も明確で効果も分かっている国産の放射能固定化薬剤投入が現実的ですぐ改善が始められるからです。

最も必要なのが冷却ですが、大量に発生した汚染水を格納できなくなり、かつ、アレバ社の装置の完成が遅れることが分かり冷却を断念してしまいました。
※完全にやめるのではなく、注水量を減らすそうですが、過去何回もこの措置のために炉心温度が急上昇し炉心爆発の危険性を再発させ続けてきました。

そして投入する薬剤も国産のものは焼却あるいはプレスで加圧すれば非常に体積を小さくできますが、アレバ社の薬剤は無機質主体のようで投入した分がそのまま核廃棄物として残り続けます。発生するだろう廃棄物の量が数百倍から数千倍は変わってくるでしょう。ドラム缶数本などといった可愛い量ではすまず、作業の過程で再び大量の放射能廃棄物が次なる大問題として浮上するのが明白なのにあえて考えようとしていません。高濃度廃棄物になりますので、現在の日本では処理不能です。

悪く考えれば、この機会にあえて大量の高濃度核廃棄物を国民の目の前で生成し処分地が必要だと強引に納得させ、数万年から数十億年は放射能レベルが極めて危険な大量の物質の処分地を確保し、実績を残そうと画策している。役人は本当に頭がよいので転んでもただでは起きないように、計算し尽くしているように見えてしまい恐ろしくなります。

※実績のないアレバ社の技術
核廃棄物の処理過程で発生する少量の超高濃度汚染水を処理する装置です。
福島第一原子力発電所で発生しているような薄い濃度の汚染水の処理には使用されず、また量も桁外れに多いため有効に機能するのか不明です。
さらに既知の問題もマスコミさえあえて問題に上げません。

それはこの装置は純水を使っていることを前提にしていることです。
含まれる不純物は原子炉周辺で発生する物質で主に放射能と機器の潤滑オイルです。
福島第一原子力発電所では、膨大な量の海水を使いました。海水は塩分濃度が3.1〜3.9%。
高熱を冷却する過程でその塩分もかなり濃縮されています。

つまり超塩辛い水を濾過するという未経験の処理を求めらています。

また、この塩分も大変危険なため、除去は必須です。
放置すれば塩素イオンが原因でタンクや配管が次々に亀裂が入ることになります。

対応できる技術を国産で持ちながらあえて採用しない東電も政府も何を考えてそう判断し続けているのか不安でなりません。
昨日、3ヶ月近くたつなか、突如残る2基の原子炉も炉心溶融している可能性が高いと唐突に発表しました。
今日からIAEAの査察が始まりますが、それと無関係だと言われても他に理由が見つかりません。

汚水処理についてもIAEAのに期待したいですがアレバ社が深く関与しているようなのであまりその部分は期待しないほうが良さそうです。どこの国も原発関連の産業を持ち、大きな利益が期待できるため、フェアーな態度を望むのはさすがに高望みに過ぎるでしょう。
しかし、それならまだアメリカがましかも知れません。
一部の企業は東芝の傘下で日本にも支払う税金の一部は戻って来ますから。

でも、日本国内でまかなったほうが効率のよいものを海外に依存するのは大きな間違いです。

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