2011年5月1日日曜日

小佐古敏荘官房参与辞任に思うこと

首相が自ら指名した官房参与が政府への不信などから辞任され、その理由と気持ちを吐露された。
かなりの出来事で、他のことより首相の人事権から責任を問う声などがもっと報道機関でも起きてよさそうですが、NHK以外では、この件そのものに付いてあまりふれられていません。

3.11東日本大震災以降、NHKなかでもかぶんの変化は顕著です。
まさに、報道とはこういうモノというお手本のような存在になりつつあります。

さて、そのかぶんブログにて小佐古敏荘さんの辞任記者会見の資料が全文文字おこしされ公開されています。


個人を特定できるような情報はなく、かなり周囲に配慮されているのが伺えますが涙をこらえきれずにいる会見の姿を見るに付け、東京大学教授をここまで行動に駆り立てるものを、安易に否定したり無視する気にはとてもなれません。


以前から気になる児童の放射能被曝上限年間20ミリシーベルトという数値。官房参与に選ばれる東大教授でさえ問題視しているのに、専門家が大丈夫と言っていると言い張るだけで根拠が不明確なのがとても残念です。


さて、以前にも問題視しましたが福島第一原子力発電所で事務作業に当たっていた女性二人が事故後の放射能被曝基準を3倍も超える被曝をしたとして問題になり報道もされました。このようなことが無いよう注意するといったことが安全院からもでていました。


この問題の被爆量が約17ミリシーベルトです。
問題となった基準は3ヶ月間で5ミリシーベルト。


3ヶ月ですから年に直すと児童の限界として定められた20ミリシーベルトになります。
しかし、一年間で20ミリシーベルトでは危険なので3ヶ月間で5ミリシーベルトを超えてはならないと定められています。くどいですが、児童は3ヶ月基準はなく12ヶ月間での総量が20ミリシーベルト。


そして、原発の作業員とはまさに原発で働く意思を持ち放射線の危険性も承知し、自分の意志で他の仕事を選ぶことも可能な人の制限値が3ヶ月間で5ミリシーベルト。
この数値は実は原発事故前と同じで、現場作業者が上限250ミリシーベルトに改定されましたが、改定されませんでした。理由は女性は妊娠する可能性があるから。
被ばく線量が限界を超えられた方は50代の方だそうです。


疑問を禁じ得ないのは、児童のおよそ半数も女性であり、このさき妊娠出産する可能性は、おそらくは50代の女性より高いだろうという事実です。問題の女性は原発事故後には原発からは退避していられて、それ以上被爆する危険性からは守られています。


すべてを完全に調整し切ることは不可能で、何かしら漏れがあるのは仕方のないことです。
しかし、原発作業者の保安基準が3ヶ月で5ミリシーベルトが現在の数値であるのですから、それよりゆるい規制値、すなわち12ヶ月間で20ミリシーベルトまでというのは規制として整合性がありません。これは、年齢を無視して女性とした場合です。
原発従事者でない一般人であり、かつ、児童であることを考慮すると全くおかしいとしか考えられません。もちろん、規制値そのものの当否はわたくしにはわかりません。20ミリシーベルトではなく、評論家の方などが言われるように250ミリシーベルトでも制限し過ぎで500ミリシーベルトから1シーベルト程度まで上げるべきなのかもしれませんし、微量であればむしろ健康においくら位という人までいらっしゃいますから、そういうものなのかもしれません。


問題視しているのは単に、最も考慮されている原発従事者の放射線許容量よりも児童の放射線許容量のほうがゆるい(高い)という事実です。安全を確保するなら相当低い数値になるのが本来でしょう。


またそれらのことを主張すると削除されてしまうのも残念な事実です。



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