2011年4月26日火曜日

東京で一番安全というデータセンターがオープン、NTT COM

NTT Comの東京第5データーセンターがオープン。
実にタイムリーに耐震と対水害対策が施されたデーターセンターらしい。
※ここは自分の目で確認していないので「らしい」どまりです。

3階以上に電源とサーバー設置スペースを確保することで隅田川から2キロという立地にもかかわらず、水害対策完備とのこと。しかし、想定外が連発される福島第一原子力発電所の原発事故はその高さの設定があまりにも甘いことが敗因でした。
また、鉄筋コンクリート造りのビルも大きな被害が構造体に及んでいます。
一階が吹き抜け構造は地震に弱いと池田のぶさんが叩いていましたが、津波においてはむしろ真逆で、被害を最小に抑えられたのは、一階部分が開放型で柱しかない構造のビルでした。

また、3階以上に電源とありますが非常用発電機やキュービクルも3階以上なのでしょうか。
それであればいいのですが、そうでなければ電源ダウンすると終わりです。
また、非常用発電機の燃料は半日~一日程度しかなく、石油会社との優先供給契約とのこと。東日本大震災では、供給が全面的に絶たれ、かつ、タンクローリーが自由に走れないということが露呈しました。
これらは、しかし、建築後でも地押できることが殆どです。
あとから出来ない耐震設計は、耐震ではなくきちんとした免震構造になっているので安心。
免震構造で最近気になっているのが皆、横揺れ対策が基本であること。
東日本大震災のために近くが緩んでしまい直下型地震が日本全体に起きやすくなってしまいました。その場合、極端な縦揺れに襲われますが、これへの対策が十分なのかが気にるところです。横揺れと異なり、普及している方法では縦揺れのエネルギーは吸収できないはずで挟んだゴムでどのエイド緩衝効果があるのか知りたいところです。

既存のデーターセンターでは、沖縄本島にあるそれが最も安全なシステムです。
※行ってみてきました。

免震構造はもちろんですが今回の第5データーセンターもそうですが一般的な方法ではが、液状化などには対処できません。
沖縄のデーターセンターは地面を掘り下げ、船のようにビル全体を完全に大地から切り離してあります。そのため、船に乗船するようにわたらなければならずちょっと建物に入るのが怖い感じさえあります。
ガスタービン発電は同じですが、直接石油タンカーを横付け出来る施設がありますし隣は米軍施設で、最悪米軍からの補給を得る可能性もあるシステムは今も最強の地位がゆるぎません。
ただ位置的な問題から回線費用が非常に高価につくため、トータルでは東京のデーターセンターを使うほうがいいでしょう。


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データーセンターの選択では強度以上に制振・免震設計が重要です。
古い設計では剛構造で強さで揺れに耐えるようになっています。
建物は持ちこたえるかもしれませんが、衝撃がモロにラックに、ラック経由で増幅された揺れがサーバーに来ればサーバーが壊れてしまいます。
免震構造であれば、揺れのエネルギーそのものを吸収して弱めてくれますから、このNTT Comのデータセンターのような構造のビルをまずは選びましょう。

そして電源がなくなれば終わりです。
データーセンターはよほど安いところでなければ電力会社と特殊契約を締結し別ルートから2回線引いてどちらが断線しても良いようにしています。しかし、東日本大震災では完全に電力が失われました。そうなると自家発電装置が命綱になります。

福島第一原子力発電所の原発がこれ程酷い状況になったのは自家発電に失敗したからです。
残念ながらほぼ100%自家発電は期待できません。
年に一回、始動テストをするだけで長時間の負荷テスト、すなわち実際に電力を供給することはしていません。切り替えがスムースにできるかにも不安が残りますし、できても燃料が切れれば終わり。燃料があっても長時間の連続稼動に耐えられない容量の小さなものもあります。
発電量にどれくらい余裕があるかと燃料の貯蔵量、補給方法を確認しましょう。

そして貯蔵量から計算される約半日くらいがセカンドデーターセンタへの切り替えまでの猶予時間となります。2~3日分の燃料が貯蔵されていると切り替えできる可能性もあるのですが、半日ではなかなかむずかしいでしょう。

また供給できる電力に余裕があるデーターセンターを選びましょう。
古いデーターセンターでは1ラック20~30Aが上限で増量できないことも珍しくありません。
何らかの故障が発生すると電源経路に余裕が無いのでフロアー全体が脱落するおそれが高まります。使う予定がなくとも倍位まで電力増量可能なところが安心です。




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