2011年3月20日日曜日

恐れていた事態である食品放射能汚染問題 #jishin

とうとう恐れていた食品の放射能汚染問題が発生いたしました。


ほうれん草と牛乳から(暫定)基準の3倍以上の放射能が計測された。

いえ、これはだれでも、よほどうかつでなければ騒霊され、むしろ今まで発表がなくてその事のほうが恐ろしく感じていました。
311東北関東大震災からまもなく、コントロールできなくなった福島第一原子力発電所では建屋が吹き飛んだり、炉内の空気を外部に排出させています。

内部の空気を排出するといった段階で食品の汚染は確定していたことです。
放射能(放射線を出す物質)を外部に撒き散らしますからそれは地面に落下することになります。

落下すれば水に溶けやすいヨウ素やセシウムでありますから、植物に吸収されます。
必然的に露地栽培の葉物や牛乳からいち早く検出され、しばらくすると根菜類からも検出される。

検出されないとすれば、検出調査を行っていないか隠蔽しているかのいずれかでしょう。

だいぶ遅れましたが公表されたので、かなりほっとしました。
しかもその数値は予想よりも小さいけれど小さすぎず基準を3倍から5倍もオーバーしています。

葉物野菜は活発に水分を吐き出すので活発に水を吸い込みますから歯の中に放射性物質を必然的に濃縮され、いち早く検出されるはずです。
根菜類は地中にあり放射性物質に触れるのに若干の時間がかかるのと葉に蓄積され、糖などに混ざった後蓄積されるので計測されるようになるまでには時間がかかるはずです。

牛乳はといえば、牛は人間と違い草食動物です。
大量の草を食べ、複数ある胃の中で微生物の力を借りて消化吸収し大きな体を維持しミルクも作ります。もともと濃縮されている草を大量に食べますから、大量に濃縮されることになります。
血液中に増え、血液の変わったものであるミルクに混入するのも自然なことです。
人間は牛のように大量に路地にある草をそのまま食すことはなく洗いますし、量も比較にならないほど少ない。しかも、露地栽培の野菜を食べられる幸運な日本人は少なく、多くはビニールハウス栽培のやや栄養価にかけたものです。
しかし、ビニールで外部の環境から守られていますから放射能物質に触れる量は格段に少なく、土壌の水を介して吸収するだけなので、直接降り注く放射性物質まで葉に付着させてしまう露地栽培よりぐっと汚染が減ります。汚染の少ないものを洗って少量しか食べませんから牛に比べて影響ははるかに小さくなります。牛のように地面に直接口をつけて草を食べつつけることができれば同じように汚染されるかもしれませんが、牛のように反芻して草の微量な養分を余すことなく吸収できるような体の構造を持っていないので難しいでしょう。

さて、何が怖いのかの本題です。
検出されるのは放出した段階で分かっていて、放射能が含まれた食品をもはや日本人は食べるしかないのだと、発表に時点で観念しました。微量でも嫌なら海外逃亡しかありません。
しかし、どこに逃げても微量の汚染がないところを見つけるのは難しいでしょう。もともとウランは地球内部に存在していますから。(量の問題で、地表で観測されるのはごくごく微量ですが)。

怖いのはごまかしてしまうことです。
発表しないとか数値を変えるのは、今の政府では難しいでしょう。
末端までコントロールしきり、にちゃんねるやツイッターといったツールが未発達であれば隠蔽できる可能性がありますが、漁船への中国不審船体当たり動画でさえ隠しきれない程度ですから、計測していればその結果は、どうしても本来の数値が暴露されてしまいます。
とてもおろかならばそこでごまかすでしょうが、福島第一原子力発電所での大気中放射線レベルをあれだけ公開している状況から類推すると、担当部署が違っても公開されそうと期待していました。

怖いのはそこではなくて、基準をかえてしまうという詭弁に出ることでした。
原子力発電所事故対応に当たる方の基準値を変えるのは、悪いにしても、ばんやむをえないことであり、受け入れるしかない残念すぎる事態です。
それに対して、安全なときに定められた基準を、実際に問題が発生したときに変えてしまう(引き上減る)というのは最悪の対処です。

暫定基準と暫定の部分をやや強調するのが不安をかきたてましたが、発表後にどこの圧力かわかりませんが、食べても問題ないから徐々に基準そのものの改訂に変わりつつあります。
基準を変えるとすればむしろ、この基準を作ったときは空気は汚染されず、水も汚染されず、その食物だけが何らかの事故で汚染されてしまったことを想定していたはずです。
大気も飲料水も当然汚染されていますし、汚染は継続しますので、総量を考えれば内部被曝となる食物については総量を抑制する観点からむしろ基準を引き下げ、廃棄するなどしなくてはおかしいでしょう。ただし廃棄方法は難しいです。焼却すれば放射性物質は燃えて消えはしませんから、大気中に広く分散されてしまいます。埋めれば、そこに長く留まってしまいます。
核廃棄物のレベルが薄まったものが大量再生産されていくので農業生産そのものを禁止するしかないでしょう。

食べ物の生産力がさらに減りますが、核の廃棄物で直接殺されるよりも飢えの方がましという洗濯がされたのだと理解していました。
なぜいまごろ、慌てて基準上げてしまうという逆の方向に走るのかふしぎです。

※農業系議員からの圧力なり、票田での人気を意識しているのはわかりきっていますが、安全・日本の将来と引換にしては本末転倒です。


さて、一週間以上も気になっていたことがやっと書けました。
危機感を煽るつもりもなく、逆に一週間前に日本中が受け入れたことが明確になっただけという事実をきちんと受け止めるべきで、ごまかすべきではないということを明確にしたいだけです。
放射性ヨウ素の半減期は8日間ですから、今年の農業を諦めれば問題ないレベルです。
それも全面的に諦める問ほど広大な面積が対象ではないでしょう。

むしろここで、一部の農業の短期間の救済のために無茶をすれば、前農産物の信頼を世界的にも失ってしまい大変なことになります。
語弊がありますが、一部の冷凍餃子にさ駐在が混入していたことで中国産の食品など買うものか、まして食べられるかというコンセンサスがほぼ日本中で出来上がりました。同じことが世界中で起こり、かつ、そのようなものを食している日本人とは付き合えない、放射能人間には来てもらっても近づかれても困るといった過剰反応が起きても、むしろ自然なくらいです。

補償金をきっちり支払い、暫定基準値の50%でも検出された産地では廃棄する、今年は清算しないなど思い切った政策を期待したいところです。

※微量の放射能で汚染された食品を食べることの是非ですが、それぞれの状況で判断変わると思います。物不足と価格高騰の中、それをあえてかって食べるという洗濯もあれば、アメリカ産を買って食べるという選択もあります。様々な基準をトータルで考えると、日本は無駄なほど基準が厳しいので、この問題受け入れても外国産品よりましではないかなと、今のレベルでは考えています。

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